私を含め、お金の勉強は大人になってから能動的に学んだ人が大半ですよね。
では自分の子供にはどうしていますか?
いつから、どうやって教えればいいのか、悩む方は多いかもしれません。
今回は子供の「お金の勉強」について、我が家のケースを紹介します。
勉強しないと資産形成が難しい時代
私の親世代は預金金利が高かったので、預金で資産形成することができました。
私の両親もそうです。
でも今の金利はゼロ同然。
それどころか昨今の物価上昇を考えれば、現金資産はどんどん価値が下がっていく状態。
給与水準も低いままです。
稼ぎが少ない上にお金の価値も下がる厳しい時代です。
つまり現代はお金の勉強がとても重要という事ですね。
お金の勉強は早い方が良いと思う理由
私は子供のお金の勉強は早い方が良いと思っています。
自分の子供には小学校の高学年位から教え始めました。
早く始めた方が良いと思うのはこんな理由からです。
進路を考える時に役立つ
子供は10代になると中学→高校→大学→就職と人生の転機が次々に訪れます。
人生の転機となる時期に金融リテラシーがあると無いでは大違いです。
進路の選択に影響するからです。
進路次第で稼ぐ力が大きく変わってきますからね。
後から「あの時知っていれば」「あの時教えていれば」と後悔するリスクも低くなります。
じゃあ進路を決める時に教えれば良いんじゃ?と思うかもしれません。
しかしこういう時期は受験勉強などで忙しく、時間を割くことも関心を引くことも難しいでしょう。
だから、より早い時期から始めるのが良い訳です。
投資期間をより長く確保できる
資産形成では稼いだお金を投資で増やすことが重要です。
早く学ぶことでより長い投資期間を確保できるので、より高いリターンが期待できます(※投資にはリスクが伴います)。
また、早く始めることで若い内に投資の経験値を上げることが出来ます。
思春期に入ると教える機会を逃すリスクがある
思春期に入ると反抗期などでコミュニケーションが難しくなるかもしれません。
そうなると数年は教えるタイミングが来ないかもしれません。
そういう意味でも、素直に親と会話できる時期から始めた方が良いと思います。
大事なのは子供の成長に合わせること
個性や環境が違うので、一律に「○○才から始めるべき」というのは難しいです。
大事なのは「子供の興味や理解度に寄り添って進めること」だと思います。
お子さんの様子を見て適切な時期を探りましょう。
個人的にはお小遣いをあげる頃が良いと思います。
お金について最初に教えるタイミングですし、子供も自分がお金を使う立場にならないとピンと来ないですから。
日常会話の中で時間を掛けて伝えていく
子供は学校に部活、宿題や塾等、大人が思う以上に忙しいものです。
空いた時間は遊びたいでしょうし「お金の勉強」と言ってもやる気が出ないと思います。
そこで我が家は「自然な日常会話を通じて伝えていく」ことにしました。
また子供は「お金を使うこと」への関心が強く「貯める」「増やす」ことに関心が向くまでには一定の時間が掛かります。
なので焦らずじっくり伝えていくことにしました。
具体的な進め方
ここから我が家の具体的な進め方を解説します。
こんな手順で子供の理解度に寄り添い、少しずつ進めていきました。
解説用にまとめましたが、実際は各項目の時期を明確に分けている訳ではないです。
ざっくりこんな順番を意識しつつ進めている、というイメージで見てください。
個別の支払にどれ位掛かっているかを話す(生活費の相場を知る)
まず日常生活の中で、支払った金額を子供に伝えるようにします。
お菓子代、外食費、文房具、旅行代、塾の講習代、帰省費用、ライブチケット代等。
月々のスマホ料金や水道光熱費まで、何でも隠さずに伝えます。
ポイントは「教える」のではなく「さらっと伝える」ことです。
支払った時に「ふむ、〇〇円かぁ」といった感じで、伝えているのか独り言かわからない位で大丈夫。
「今月の電気代高いな。○○円だって」と夫婦の会話を間接的に伝えることもあります。
子供はこんなことを学びます。
例えば家族で開店寿司に行った時「***円だったわ」と言うと子供は「高っ!」と驚きます。
そこで「家と比べて外で食べる方が大分高いな。でも寿司屋の中では安い方だよ」と教えてあげます。
この会話で子供は「家で食べるより外で食べる方が高い」「回転寿司は寿司屋よりは安い」と言うことを学びます。
生活費全体の金額を話す(生活費の全体像を把握する)
個別支出の相場観が身についてきたら、毎月の生活費が全体で幾ら掛かっているか教えます。
ウチの場合はこんな会話でした。たまたま子供と話している時にふと思ったのがきっかけです。
私:「もしかして、ウチの生活って普通だと思ってない?」
子:「うん、普通だよね」
私:「ウチって特に旅行も外食もしないし贅沢してないよね。この生活で毎月どれ位掛かってると思う?」
子:「全然わからないー」
私:「実は、毎月〇〇万円位掛かってるのよ」
子:「!!マジで!?」
個別の支出についてある程度知っていても家計の全体像はイメージできてなかった様で、びっくりしていました。
びっくりしたということはつまり、「学んだ」と言うことです。
生活費以外に掛かる費用を伝える(人生の3大必要資金)
子供を育てていると授業料、塾、大学の入学費&学費、習い事と、それはもう沢山お金が掛かります。
受験が近くなると大学の入学金や授業料を考える機会も出てきます。
この頃から教育費の話題を皮切りに、住宅費や老後資金など「人生の3大必要資金=日常の生活費に+@で必要な資金」について少しづつ伝えていきました。
この辺りから「あれ、人生ってめっちゃお金かかるじゃん!?」と気がつきます。
貯蓄だけでは不十分なことを伝える(投資の必要性を知る)
3大必要資金の話をすると「普通に働いてお金足りるの?」という疑問が湧きます。
そこでこんな話をします。
稼いで貯金するだけでは足りないので、投資で増やす必要があるということですね。
親の年収を教える
私はこの段階で自分の年収も教えました。
「自分の暮らしが、どれ位の収入で維持されているのか」を知ってもらうためです。
子供は実際の年収の半分位と思っていたらしく驚いてました。
「じゃ頑張らないと今より生活苦しいってことだよね?えー、やばいやばい」となりました。
具体的な将来像を描く上で、親の年収を教えるのは効果が大きかったです。
年収の高低に関わらず子供にとって今の生活が当たり前です。
普通に考えると親の年収を下回ったら生活水準が今より下がる可能性が高いですから、将来どれ位稼げば良いかが具体的にイメージ出来るようになります。
なお、年収と生活水準のイメージをリンクさせるのが目的なので、年収の高低は問いません。
高くても低くても意義はあると思います。
受験が将来の年収にも関わってくると分かってくれただけでも価値がありました。
子供が興味を持ったら、あとは都度疑問に応える(本格的な勉強期間)
ここまで来ると、子供は自ら興味を持って質問する様になりました。
「初任給ってどれ位?」「どういう仕事が給料高い?」「(私がなりたい)この仕事は給料どれくらい貰える?」「投資するとどれ位増える?」等、将来に関わる事にも興味を持っています。
後はそれに一つ一つ応えてあげれば、子供はどんどん吸収していきます。
わからないことは一緒に調べて勉強しましょう。
我が家の”現在の状況”
高校生の子供は昨年後半位から行動に大きな変化が表れました。
正直なところ、高校生の時点でこれだけの成長を遂げるとは思っていませんでした。
素直に驚いてます。
特に、節約だけに留まらず、毎月小遣いの一部を投資するのは凄いことです。
もう上級者ですね。頼もしいです。
(2022年10月2日追記)
下の子(中学生)が、10月よりインデックス投資することになりました。
小遣いの中から毎月500円です。最初の1歩を踏み出した子供達。誇らしい。
子供に勧めた本
子供が投資に興味を持ち始めた頃、最初に「バビロンの大富豪」という本を勧めました。
投資の基本が詰まった良書です。
物語形式になっており、読みやすいです。
子供に紹介する最初の1冊として最適と思います。
バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか 文庫版 [ ジョージ・S.クレイソン ] 価格:825円 |
バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか [ ジョージ・S.クレイソン ] 価格:1,650円 |
まとめ それぞれの家庭で良いと思う方法で
いかがでしたか。
我が家ではとにかく焦らず、長い時間を掛けて伝えるようにしてきました。
目に見える形で効果が現れるには何年も掛かりましたが、その分しっかりと身についた気がします。
家庭によって色々なやり方があると思いますが、我が家はこれが良かったと思っています。
参考になれば嬉しいです。
コメント